多くのデザイナーの皆さんは日々、Adobe Illustrator もしくはin Design を操作してデザインワークに勤しんでいると思います。
より素敵な仕上がりを目指し、絵作りやレイアウトはもちろんのこと、写真や配色までこだわって制作していることと思いますが、コピー(文字)に対してどこまで気を使っていますか?
ここでは普段から心掛け、一般的なフォントを使用した際にただの打ちっぱなしや設定のみではなく、全体的に施す「カーニング」と「プラスα」で見え方が変わる例をご紹介します。
※ただし、個性的なフォントや作字したものには当てはまらない事もあります…
写植を手で詰めて版下を制作していた世代の人間には作業の時間を大幅に減らしてくれるフォントの調節機能(設定)があるIllustrator はとっても便利。
設定だけである程度はキレイに見えるようになります。
例えば、下記のようなタイトルコピー。
設定「無し」、打ちっぱなしです。
少しだけ、設定を加えます。
全体にカーニングを「オプティカル」/トラッキングを「50」。
これだけで文字間バランスは格段に良くなります。
しかし、ここからが「プラスα」。
②の設定後に以下のようなカーニング調整をしています。
いかがでしょう。
このプラスαのキモは「ャ」と「!」です。
「ャ」の前後をツメ、「!」の前をツメて他に比べて「小さい」を解消する為に拡大。
ただし、まま拡大すると太くなってしまうのでフォントファミリーの中で1 つ細いフォントスタイルに変更。他は微調整のレベルです。
ファミリーの多いフォントを使用する場合、とても有効なテクニックだと思って実践しています。
逆にファミリーが少ない、もしくは無い場合は他のフォントを代用して違和感の無いように調整しています。
例えば、明朝体でもやってみます。
これが「欧文」と「数字」が混在したコピーになるとプラスαの幅がもう少し広がります。
次回はその混在コピー
で「カーニング・プラスα」をご紹介します。
ここまでの話は、あくまでも個人的なこだわりの部分です。
デザイナー人生の中で培ってきた主観と言いますか、気にならない人は全く平気だと思いますし、偉そうに「絶対にやらなきゃダメ!」なんて言いません。
ただ、慣れてしまえば、ほんの5 分程度で出来てしまいます。
分かる人には分かる。というレベルの話かもしれませんが細部にも気を使っているデザイナーだなって思ってもらえるささやかなテクニックですので、参考程度に読んでいただければ幸いです。
Author : t.y