アイディアが「降りてきた」り「湧いてきた」りした経験をお持ちの方はどのくらいいるのでしょう。
ワタシは学生時代まで遡っても2度ほどしか「降りてきた」ことがありません。ちなみにそのアイディアは、友だちにあげる完全プライベートのカード作りにて十二分に発揮されました。
アイディアは日々さまざまな事柄に触れ、自分の中に蓄積されたインプットから出てくるのだと思います。
しかし、必要なときに必要な状況に応じたアイディアがいつも「降りてきた」り「湧いてきた」りしてくれる訳ではありません。
なので、制作過程の第一段階・アイディア出しの際にブレインストーミングを行う方も多いのではないでしょうか。
ブレインストーミングとは言葉の通り「脳を台風にあったかのようにぐちゃぐちゃにすること」。
集団的思考技法で、複数人の参加者が相手を批判することなく、自由にたくさんの意見を述べる会議の方法です。
思いついたことをすべて出し合い、ひとつのアイディアから新たなアイディアを生み出す連想からの発想で、きっかけを探し出していきます。
まさに「三人寄れば文殊の知恵」ですね。
そうはいっても、ひとりでアイディア出しをしなくてはならず、煮詰まって何も思い浮かばないときは、何をどう考えればいいかさえもわからなくなりませんか。
そこで助けになるのが、ブレインストーミングの考案者・オズボーンの9つのリストです。
ものは変えずに新たな使い道はありませんか。または、改良・改善をしたうえで別の使い方はできませんか。
例えば、「シュレッダーはさみ」。もともとは刻み海苔用のはさみとして開発されあまり売れなかったものの、今では名前と用途を変え流通しています。
他からアイディアを借りられないか考えましょう。
例えば、「痛くない注射針」をご存知ですか。蚊に刺されても気づかないことをヒントに針の構造を真似したそうです。他にも自然界のアイディアを借りた技術開発や研究があります。
変更・調整したらどうですか。
例えば、出版業界では昔の文豪たちの作品の表紙を、イメージキャラクターを起用したりアニメ風にしたり、一新したことによって売り上げが伸びたそうです。
大きく・強く・長く・高く・厚く…強調することで価値を高めることはできませんか。
例えば、業務用スーパーや大きいサイズ専門店。最近では外出自粛を受けて3日分の食材をまとめた大袋の販売もありました。
小さく・軽く・短く・薄く・細く…無駄を削ぎ落として必要なものだけにして、シンプルを追求してみたらどうでしょう。
例えば、4. Magnify[拡大]とは反対に「おひとりさま用」の商品やサービスの需要も増えてきています。
何かで代用できませんか。他の素材を使えませんか。
例えば、「グルテンフリーケーキ」は小麦粉アレルギーを持つ方でも安心してケーキを食べることができます。
また、牛乳の代わりに豆乳を使ったり、バターの代わりにサラダ油を使ったり、アレルギーがあっても食事を楽しめるようになってきています。
要素を置き換えたり、組み替えたりしたらどうですか。
例えば、よく耳にする「パンデミック」「クラスター」「オーバーシュート」。日本語に訳すと「全国的流行病」「塊」「行き過ぎ」となり、「世界的流行」「集団感染」「爆発的急増」とわかりやすく置き換えられます。
左右や上下、向き、順序を反対にした逆転の発想をしませんか。
例えば、「お茶碗」や「お猪口」を伏せて置くと「富士山」になるお土産や、「平成」をひっくり返すと「令和」と読めるカリグラフィもまさに物理的逆転の発想です。
組み合わせたらどうなるか考えてみましょう。
例えば、今や多くの人が当たり前に使っている「スマートフォン」も電話やメール、定期券、電子マネーの機能がすべて合体しています。
ブレインストーミングとオズボーンの9つのリストについておわかりいただけましたか。
ブレインストーミングやオズボーンの9つのリストは、連想ゲームのように紐付けされながらの発想なので、コンセプト説明も整理しやすく、説明を受ける相手も理解しやすいと思います。
Author:スタッフR