日々、新しい情報が飛び交いあふれています。
また、新しい一日が始まります。
主に、ものづくりをしている自分の場合は、
ブランディングや商品の販促計画、媒体(ショートムービー、web、グラフィックなど)
の全体やそれぞれの制作をしていますので、
いろいろな情報も気にしていかなければなぁ〜と、
日々、新聞やwebの情報などを眺めています。
朝や昼のワイドショーのような番組では
「どうでも、いいよなぁ〜。こんなこと…」と思うものもかなりありますが。
http://www.bakerhouse-table.com/
ものの見え方は日々の積み重ねや環境に大きく影響を受けて発信されていきます。
極端に言えば、全く同じものが今日と明日とでは違って見えてしまうということが起こります。
自分のなかにルールをつくったり、イデオロギーみたいなものを基準に
ものを考えていくと、自ずとフレームがつくられ少し楽になるのかもしれません。
そんなことを自然と意識しながら普段ものづくりをしているのだと思います。
昨日までの基準や正しさはとても脆く薄っぺらいものだったりします。
「今日正しいことは、今日考える。」
そんな風にものづくりをしていくのもいいかもしれないなぁ〜と、思う。最近です。
ディレクター/ 伊藤智康
前回(9月です)、一般的なフォントを使用した際にただの打ちっぱなしや設定のみではなく、全体的に施す「カーニング」と「プラスα」で見え方が“劇的に?”変わる例をご紹介
しました(下がそれです)。
今回は続きとして、さらにもう少し、
「欧文」と「数字」が混在したコピーにプラスα
を、ご紹介。
の前に、本題を述べるために誰しもが思っているフォントに対するギモンの1つを
簡単に説明しておかないといけないので寄り道します。
①和文書体は基本的にボディと呼ばれる「正方形」の中で構成、完結
ベースライン(基準線)が1つで、そのラインに沿った時に一定に並ぶように『始めから』作られています。
②欧文書体は「文字ごとにボディの幅が違う」
和文書体と欧文書体では文字としての作り方、成り立ちに「違い」があります。
フォントの高さ、幅、大文字小文字、文字ごとのボリューム…
欧文には高さの異なる文字をキレイに横に並べるために、複数の基準線が必要です。
さらに欧文書体のボディは同じ幅で設定されておらず横幅の設定方法が和文書体と異り、
文字の数だけ存在します。
つまり、和文書体と同じ「正方形」を基準に、同じルールの中では
文字作りができないのです。
和文書体であっても英数文字はそのフォントに合わせて開発しているのではなく、
「近いエレメント要素を持った文字を整えている」場合が多いと聞いた覚えがあります。
※アバウト過ぎて分からない方はググってください。詳しいサイトはたくさんあります。
→なので、いつも整える必要性を感じているのです。
いよいよ本題。
ベースにするのはこのコピー。
MB101 B/50ptのベタ打ち(カーニング:オプティカル/トラキング:50設定)。
これを…
並べてみると…
いかがでしょう。
このプラスαのキモは「英数」と「(土)」です。
英数は拡大前提で1つ細いフォントスタイルに変更。
拡大でも細さを解消できないため、ケイを巻いて少し太らせています。
(土)は作りの小さい「日」と並ぶことで、どうしても大きく見えてしまうので
思い切って90%にしてみました。
いかがでしたか。
私の場合、「英数」「!」「?」に手を加えることに使命感みたいなものを感じていて
おおよそ5分くらいでこんな形に調整しています。見出しとして目立たせたい場合、
もっと時間をかけて細かくチクチクといぢってしまいます。
フォントに対する思い入れ、こだわりはデザイナーの数だけ存在し、
それぞれが「ベター」だと思う手法があって然るべきでしょう。
些細なことかもしれませんが、個々がこだわりを持ち、
アウトプットできれば、それは、武器になると思っています。
このブログは写植世代の生き残り、まぁ、ステレオタイプなデザイナーが
若いグラフィックデザイナーに向けたささやかなつぶやきだと思って、
温かい目で読んでいただければ幸いです。
Author : スタッフT.Y