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多治見モザイクタイルミュージアムを通して
建築家 藤森照信さんから学ぶ独創性

デザイン・シンキングやAI技術が話題の昨今、良い企画やデザイン提案をするためにみなさんは日頃どんな事をされていますか?

昨年2016年8月に今や世界的建築家の藤森照信さん建築のミュージアムが愛知県にオープンしたと知り、行って参りました。
その体験から感じたことは、人間にしか作り出せない根源的な創造力の力強さです。どんなジャンルであれおよそAIでは作り出せないであろう素晴らしい人間の創造物のご紹介をここでシェアすることで普段の企画・アイデア発案に役立てていきたいと思います。

今回は2016年6月にオープした愛知県多治見モザイクタイルミュージアムの、主に藤森照信さんのお仕事についてご紹介します。
ミュージアムへは、多治見駅発のバスに乗って向かいました。しばらくすると道がどんどん狭くなっていき、しまいには民家と民家の軒下ギリギリの中を通り、よく民家にぶつからないでこんな狭い道をバスが通ることができるものだなと感心すると同時に「こんな村のような場所に写真で見たあの巨大な建築物が本当にあるのだろうか?こんなに時間がかかって期待外れだったらどうしよう。」といった不安がピークに達する頃に、急に道が開けて坊主頭のような不思議な建物が現れます

事前に写真は見ていたものの巨大な土壁のファサードを目の当たりにすると、何とも不思議な感覚に陥ります。「なぜタイルミュージアムなのに土壁の山?」と思いますよね。
手前のエントランス部分の地面もフラットではなく、すり鉢状になっています。おまけに屋根部分に若い松の木が植えられています(笑)
公式ホームページによるとタイルの原料を掘り出す「粘土山」を思わせると書かれており、実際に採土場で粘土を掘り出した崖の上にこのような木が並んでいる光景が見られるそうです。
なるほど、確かに山へドライブに行った時に採土場らしき場所でこのような光景を見た事がありますが、決して美しいものではなくどちらかというと私は自然破壊しているようでネガティブな印象を持っていました。そういった風景を建築に活かしていく発想はなかなかできるものではないですよね。

そして、この巨大な土壁に対して入り口はとても小さな木の扉で、中の様子がさっぱり想像できないこともありワクワク感がさらに高まります。
ファサードにはタイルの大量生産のもとになったと言われる美濃焼の茶碗やタイルが埋め込まれており、「ああ、ここはモザイクタイルミュージアムの入り口だった」とふと現実に返ります。
受付をすませ土のトンネルのような階段を4階まで登りきると、真っ白い空間が広がります。ここは藤森氏がキュレーションしたタイルの部屋だそうで、吹き曝しで全国の銭湯や旅館から集めてきたモザイクタイルなどが展示されています。

さらに奥に進むと天井に丸い穴があいており、その穴からフロアまで「タイルのカーテン」が。

ミュージアムなのに吹き曝しで展示物は大丈夫なのか?!と心配になりますが、タイルは雨にさらされても水に強いので問題ないそうです。

ミュージアム=歴史的な展示物の大切に保管し展示する場所という概念が打ち破られました。流石です。

以下は3階から1階の展示物です。

誰がどのようなきっかけで藤森氏に建築を依頼したのか、非常に気になったのでミュージアムに問い合わせたところ、館長さんがもともとタイル会社の経営者の方で、藤森氏がその企業にタイルの事を以前問い合わせてこられたのがきっかけで、その後藤森氏の建築に館長さんが大変興味を持たれ依頼されたとの事だそうです。人並以上の熱意をもって建築に取り組んでいらっしゃる姿勢と作品の独自性に感心されたのでしょうか。一目見たら忘れられない独創性と話題性があり地域ブランディングにも持ってこいですよね。
『縄文建築』と呼ばれる藤森氏の建築は、今後ますます「ガラスと鉄とコンクリートの箱が立ち並ぶ風景に慣れてしまった私達」に、日本人の創造力の根底に流れるものを呼び起こしてくれるきっかけになっていくと思います。

次回は、現在六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催されている『野生展』と京都の苔寺のレポートを通して、AIでは作り出せないであろう人間の素晴らしき創造物から学ぶ独創性を紹介をさせて頂く予定です。

クリエイティブディレクター 齋藤真弓

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*建 築 家・藤 森 照 信
1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は近代建築、都市計画史。東京大学名誉教授。東北芸術工科大学客員教授。東京都江戸東京博物館館長。86年、赤瀬川原平や南伸坊らと「路上観察学会」を発足。91年<神長官守 矢史料館>で建築家としてデビュー。97年には<赤瀬川原平邸(ニラ・ハウス)>で日本芸術大賞、2001年<熊本県 立農業大学校学生寮>で日本建築学会賞を受賞。他、『ラ コリーナ近江八幡』、『鸛庵(こうのとりあん)』、『高過庵』などがある。

*トラックバック/参考書籍
多治見市モザイクタイルミュージアム公式サイト
http://www.mosaictile-museum.jp/
X-Knowledge HOME Vol.8 2007年
CASA BRUTUS
https://casabrutus.com/architecture/23132
コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E8%97%A4%E6%A3%AE%E7%85%A7%E4%BF%A1-1105650 

アルファチャンネルを使って雲を切り抜こう

今回はphotoshopのアルファチャンネルを使って雲を切り抜く方法をご紹介します。
パスでの切り抜きが難しい雲や光なども簡単に切り抜くことができ、他の画像と合成をしたい時に便利です。

早速やってみましょう

1.切り抜きたい画像を開きます。

2.チャンネルパレットから「レッドチャンネル」を選び複製します。
複製方法はレッドチャンネルを選択し、ドラッグしながらパレット右下の「新規チャンネルに複製」に重ねます。
この時、「グリーンチャンネル」「ブルーチャンネル」を選ぶことも可能ですが、出来るだけ切り抜き対象と境目の明暗がはっきり分かれているチャンネルを選びます。

3.コントラストを強くして切り抜きしやすくします。
「レッドのコピー」チャンネルを選択し、「イメージメニュー」→「色調補正」→「レベル補正」で空の色をさらに黒く、雲の色をさらに白くなるよう調節します。
レベル補正の他に、「トーンカーブ」や「明るさ・コントラスト」でも調整可能です。
この時の調整具合によって切り抜かれる範囲も変わってきます。いろいろ試して自分の理想に近くなるよう調整してみてください。

4.「commandキー (Ctrlキー)」を押しながら「レッドのコピー」チャンネルをクリックすると、雲の白い部分だけが選択されます。

5.この状態のままRGBチャンネルをクリックし、レイヤーに戻ります。
「commandキー+J (Ctrlキー+J)」で複製された新しいレイヤーができます。先ほどコピーした雲の白い部分だけを切り抜くことができました。

6.雲をのせたい画像を開きます。
先ほど切り抜いた雲の画像を使って、空に合成してみます。
切り抜いた雲の画像を移動ツールで選んで、合成用の画像タブの方にドラッグすることで、合成用画像の上に持ってくることができます。

7.雲の不要な部分を消していきます。
雲のレイヤーを選んで不要な部分は「レイヤーマスク」を作成し、黒いブラシで消していきます。ボケ足のあるブラシを使って濃度を薄めの数値にして消してみると少しずつ消すことができて、やりやすいです。

8.画像に雲を足すことができました。

切り抜き方次第で様々なものを合成用に作成可能ですので、ぜひ試してみてください。

Author : スタッフY

Indesignの必須テクニック
ノンブルの作り方を覚えよう

Indesign(以下インデ)というと、グラフィックデザインをやっている方でも、取っ付きにくくて使い方が分からない!となることが多いと思います。しかし、イラレと比べて大量の画像を難なく処理できる点や、ページ制作と管理の面でとても優れたソフトです。特にカタログなどのフォーマット化されたページ物のお仕事では必須と言っても過言ではありません。そこで今回は、インデの便利テクニックのひとつ、ノンブルの作成方法について書いていきます。

ノンブルとは…

雑誌を始めとした書籍やパンフレット、カタログなどのページの隅っこにあるページ番号をノンブルといいます。これがあることによって現在何ページ目を開いているのかが分かり、どの情報が何ページにあるのかという検索にも、とても重要な役割を持ちます。

材料づくりと配置

見開きの状態のページを用意します。

ページパネルを開いて、「Aマスター」(マスターページが複数あればどれでもOK)をダブルクリック。マスターページへと飛びます。上の画像のようにAマスターが選択されていることを確認したら、ノンブル用のテキストボックスを見開きの左右に作ります。

今回、Aマスターで設定するノンブルなので、「A」と打ち込みます。同じ作業をもう片方のページでも行いましょう。これでノンブルを作成するための準備は完了です。

次に、テキストボックスの中身が選択された状態にして、画面の一番上のメニューにある「書式」から「特殊文字の挿入」 → 「マーカー」 → 「現在のページ番号」を実行します。一見すると何も変わっていないように見えるのですが…

一度マスターページから離れ、適当な見開きのページをダブルクリックして移動してみましょう。すると、自動的にページ数が割り振られたノンブルが現れているはずです。そして、これは全てのページに適用されています。イラレで同じことをやろうと思ったらすごく面倒ですよね(-q- )

なぜ自動で全てのページにノンブルが設定されるのか?

なぜノンブルが自動的に全ページに設定されるのか?それは、マスターページ上でノンブルの元になる材料を作って配置したからです。マスターページは、複数ページに渡って共通するフォーマット要素を、指定した範囲内で適用し、作業を効率化する機能です。

今回はAマスターのページで作業を行いましたが、この場合、ノンブルを設定したいページに対してAマスターが適用されていることが前提です。上の画像のように、各ページに割り振られているページ番号がページ数としてノンブルに反映されます。

マスターページの適用は、ページパネル右上のメニューから「マスターページを適用」を実行し、適用する範囲を設定してください。

もっと分かりやすく設定できると良いのですが…

ノンブルの設定はワンタッチでできないこともあり、過去自分がつまずいたポイントでもあったのでご紹介しました。これを覚えたらインデレベルが格段に上がると思います。初歩的かつ重要なテクニックですので使いまくってください!

Author : Switch 山本

営業が教える!
エクセル作業を楽にする方法 Vol.2

エクセルは、計算式などデータ処理・管理という利用目的が多いので、処理速度って重要ですよね。
今回も、作業時間短縮化のアイデア・小技をお伝えします。

1.書式設定を表示させる時間の短縮化

セルを処理する為に右クリックしたら、

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シーン …

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ふた呼吸くらい後に、こんな表示になる時があります。

複数のセルを同時に処理する場合など、データが多い場合は特にそうなりやすいです。
この手間を繰り返していたら、失う時間ばかりがどんどん増えてしまいます。

解決

そんな時は右クリックではなく、「Ctrl+1」で表示させましょう。
条件にもよりますが、表示までの時間が早くなります。

しかも
右クリック ⇒ 書式設定という二段階の動作だったのが、実質一回の動作で終了出来るので、同じような動作を何回も行う場合は、かなりの時間短縮になります。

2.複数のエクセルデータを立ち上げて作業する場合

こちらのファイルのデータをあちらのファイルに貼り付けなどの際、
画面内でそれぞれのデータを見ながら処理したいですよね。

二つエクセルデータ立ち上げたのに、片方しか見れない…。
もう一つを見るには、片方を閉じないといけない。
時間がかかる、作業が大変、それ以上のデータを見るとなったら、気が遠くなります。

解決

こんな時は、
① エクセルを立ち上げる

② 開きたいファイルをエクセル上にドラッグ&ドロップして開く
③ 別のエクセルを立ち上げる
④ 開きたい別のファイルをそのエクセル上にドラッグ&ドロップして開く
これを開きたいファイル分だけ繰り返せばOKです。

3.空白セルの数え方

「データ入力が出来ていない件数は残り何件だろう?」
ソートをかけて空白セルのみにしたのは良いけど、その空白セルの数が出せない。
この表ですと、赤い〇が付いていない列の数を知りたいわけですね。

データが入っているのなら、該当するセルをくくれば、表の下に「データの個数」が表示されますが、データが入っていないとそれが出来ません。

セルを一つずつ「いち」「にい」「さん」…と数えるのも面倒ですし、時間がもったいないですよね。

解決

そんな時は、結果を表記したいセルを選んだ後に、「数式」タブから、「関数の挿入」を選択、

「COUNT BLANK」(=空白を数える)を選択、無ければ、検索窓に「COUNT BLANK」を入力して下さい。

該当セルを選択したら、「OK」を押すと、結果が表記されます。

今回の場合は未入力データ数は「10」ですね。

さて、
今回の作業時間短縮化情報はいかがでしたでしょうか?
どんどん活用して、効率を上げて下さいね。
それでは、また次回お会いしましょう。

Author : 野村

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